2025/07/18 社会福祉学科
社会福祉学を学ぶ人のためのストーリー:自分や自分の家族を守るための知識
高齢者や障がい者などを支援するために必要な、法律やそのほかの社会についての広範な知識は、自分や家族の生活を守ることに役立つ知識でもあります。このお話は大学の社会福祉学科で学ぶイメージを持っていただくための創作ストーリーです。
自分や自分の家族を守るための知識
高校の放課後、カフェで二人の高校生が進路の話をしている
友人A:「進路決めたんだって? 社会福祉学科に行くって聞いたけど…福祉ってやっぱり介護とかを勉強するの?」
私:「もちろん介護も学ぶけど、それだけじゃないんだよね。実は社会福祉って、“これからの社会で生きていくための知識”を広く学ぶ場所なんだ。」
友人A:「生きていく知識…? どういうこと?」
私:「……実はさ、ちょっと前に家族でいろんなことがあって考えるようになったんだ。」
友人A:「何があったの?」
私:「うちのおばあちゃんが体調崩して入院したんだけど、どんな制度を使えばいいのか、どこに相談すればいいのか全然わからなくて。家族みんなで手探りだったんだよね。結局、病院のソーシャルワーカーさんが色々教えてくれて、介護保険とか公的な支援とか制度を使えたんだけど、その時に思ったんだ。“知ってるか知らないかで、家族の生活の安心感って全然違う”って。」

友人A:「確かに…。そういう制度って、学校じゃあんまり教わらないもんね。」
私:「そう。これからの社会って少子高齢化が進んで、今まで通りにはいかなくなるって言われてるし。親だっていつか高齢になるし、自分の将来だってわからないじゃん?もし何かあった時に、『自分が制度や支援を知ってて助けられる人になりたい』って思ったんだ。」
友人A:「なるほど…そういう経験があったんだね。」
私:「それで色々調べてたら、福祉って介護の技術だけじゃなくて、年金や医療や法律や、心のケアや災害への備えとか…支援するには社会全体の仕組みを幅広く学ぶ必要があるってわかったんだよね。つまり、“支援するための知識=生きていくための知識”でもあるんだって。これからの社会は高齢化も進むし、予測できない問題も増える。社会福祉を学ぶって、そういう“変化の時代を生き抜く力”を身につけることでもあるんだよ。」

友人A:「それって、むしろすごく役立つ勉強だね。たとえ支援の仕事に就かなくても、知ってたら自分や家族を守れるもんね。福祉=介護、ってイメージが変わったわ。むしろ社会の“攻略法”を学ぶ学問って感じだね。」
私:「まさにそれ!少子高齢化が進むこれからの社会では、そういう知識を持ってるだけで安心感が違うと思う。私は、そういう“将来に備える力”が欲しかったんだ。」
友人A:「福祉って、イメージ変わったわ。“生き抜く知識”を学ぶ学問なんだね。」
1.社会の仕組みや生活基盤に関わる制度を理解する科目:
「社会保障論Ⅰ」 では、社会保障の枠組みや理念、財政との関係性を考察し、社会保障の全体像を探求します。少子高齢化や労働環境等の変化を踏まえつつ、現代社会における社会保障制度の役割と取り組む課題を把握することを目指しており、これは自分や家族の生活を支える公的な仕組みを理解する上で不可欠な知識となります。生活の変容や社会保障制度の枠組み、理念、財政の内容と問題点などを説明できるようになることが目標とされています。
「社会保障論Ⅱ」 では、社会保障制度を横断的に概観し、現状と諸課題について学びます。少子高齢社会におけるあるべき生活保障システムを自らの言葉で説明できるようになることを到達目標としており、将来にわたる自分や家族の生活の安定を考える上で365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@な視点を提供します。日本の社会保障制度の概要、問題点、そして諸外国の制度との比較も行います。
「公的扶助論」 では、貧困および生活困窮を身近な生活問題として捉え、生活保護制度および関連制度と諸問題について理解を深めます。多様化する生活困窮者への支援のあり方、生活保護制度を支える専門職?専門機関の現状と課題を考察することを通して、もし自分や家族が困難な状況に陥った場合のセーフティネットについて学ぶことができます。近年の自然災害や365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@感染症拡大を背景とした生活困窮についても言及されます。
「社会学と社会システム」 では、現代社会の特性、生活の多様性、人と社会の関係、社会問題とその背景を学びます。社会構造と変動(人口、グローバリゼーション、地域、環境)や市民社会と公共性(社会的格差、社会政策、災害と復興)から学ぶことは、自分や家族が社会の中でどのように位置づけられ、どのような影響を受けるかを理解する助けになります。生活と人生(家族とジェンダー、健康、労働、世代)についても学びます。
「家族社会学」 では、「家族」の定義、形態、人間関係、役割、機能について学び、現代日本の家族形成の変化や、家族を取り巻く社会変化の要因を理解します。社会統計や社会調査のデータに基づいた学びは、自分や家族が直面しうる課題を社会構造との関連で捉える視点を提供します。福祉や教育の現場において、個人のみならず家族のことも念頭においた支援ができるための知識習得を目指すため、自分や家族を支援する側の視点も学べます。
2.権利擁護と法制度に関わる科目:
「権利擁護を支える法制度」 では、権利行使が侵害されている人々を擁護するための法制度について学びます。基本的人権(特に自由権?社会権)や成年後見制度、憲法、民法、行政法の制度体系を理解することは、自分や家族の権利を知り、それを守るための法的な仕組みについて学ぶ上で非常に365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@です。問題発見能力と法的な分析能力の理解を深めることを目的としています。
「社会福祉法制論」 は、社会福祉に関する法律と制度の理解を深めることを目的としており、憲法、民法、行政法の法原理、成年後見制度、更生保護制度について学びます。社会的弱者の救済方法として法的に何が問題かを発見し、最適な解決方法を学ぶことは、自分や家族が困難な状況に直面した際に、法制度がどのように関わるかを理解するのに役立ちます。論理的かつ説得的に説明できることを目指します。
3.健康と医療、精神保健に関わる科目:
「医学概論」 では、人のライフステージにおける心身の変化と健康課題、身体構造と心身機能、健康?疾病の捉え方、疾病と障がいの成り立ち及び回復過程、公衆衛生について学びます。福祉系スタッフや医療系スタッフ向けの科目ですが、基本的な医学知識や公衆衛生の観点は、自分や家族の健康管理や医療への理解を深める上で有益です。
「公衆衛生学」 では、集団や地域、生活環境を含めた巨視的な視点から健康を捉える方法を学びます。疫学の基礎、環境が人々の健康に及ぼす影響、社会の諸制度について学ぶことは、地域社会における健康課題や、自分や家族が健康に生活するための社会的な取り組みについて理解を深めることにつながります。病気の予防や健康増進に貢献するための素養を身につけることを目指します。
「現代の精神保健の課題と支援Ⅰ/Ⅱ」 では、現代社会における精神保健の課題とアプローチについて学びます。精神保健上の課題は個人だけの問題ではなく、社会環境との作用関係の中で生じていることを理解し、ソーシャルワークがこれらの課題にアプローチすることの365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@性を学びます。自分や家族の精神的な健康に関心を向け、課題が生じた場合の社会的背景や利用可能な支援について理解することは、問題の早期発見や適切な対応に役立ちます。
「保健医療と福祉」 では、保健医療システムや保健医療ソーシャルワーカーの役割について学びます。地域の関連機関間での多職種連携の365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@性や、在宅医療?介護連携について学ぶことは、自分や家族が医療や介護が必要になった際に、どのようなサービスがあり、関係機関がどのように連携して支援を行うのかを理解するのに役立ちます。
4.特定のライフステージや困難に関する科目:
「児童?家庭福祉」 、「高齢者福祉、障がい者福祉」 といった科目は、それぞれの対象者が直面する固有の課題、それらを支える制度やサービスについて詳しく学ぶことができます。これらは、自分自身や家族がそのライフステージに到達した際、あるいは障がいを負った場合に、どのような支援が必要となり、どのような制度を利用できるのかを知る上で365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@な知識となります。
「災害ソーシャルワーク論」 では、自然災害における被災者、特に要配慮者の問題や、災害時のソーシャルワークについて学びます。災害への備えや、被災時に利用できる支援、要配慮者への対応について学ぶことは、災害の多い日本において、自分や家族の安全を守るための具体的な知識につながります。災害に備え、ソーシャルワーカーとして想像力と思考力を養い応用できるようになることを目指します。
これらの科目を通じて、社会が抱える様々な課題や、それに対する公的な制度、専門職による支援について包括的に学ぶことができます。これらの知識は、自分や家族が生活する上で直面しうる困難を理解し、適切な社会資源(制度やサービス、支援者など)に365体育投注_365体育备用网址-【唯一授权牌照】@するために必要な基盤となります。
※社会福祉士や精神保健福祉士、介護福祉士、保育士などの資格を目指す課程でのみ受講できる科目もあります。